いい絵本み〜つけた!!

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 ここでは、みなさま及び管理者により絵本を簡単に、少しずつ紹介させていただきます。尚、年齢の表示はあくまで目安です。

わたしのせいじゃない −せきにんについて−
            読み聞かせるなら  8・9才〜
            自分で楽しむなら   9・10才〜おとな

 スウェーデンで生まれた絵本。
 一人の男の子が、手で顔を押さえて泣いており、その子の後ろには何人もの子どもがいます。
 後ろにいる子どもたちが一人ずつ出てきて、

    はじまったとき見てないから・・・・
    一人では止められなかったから・・・・
    みんなはたたいたけど始めたのは私じゃないから・・・・
    その子が変わっているから・・・・

 だから(その子が泣いているのは)「わたしのせいじゃない」と言います。
 絵本部分、最後の数点のモノクロの写真とともに、いじめの問題、国際社会の軋轢など様々なことを考えさせられるずっしりとした衝撃を受ける絵本です。

幸福な質問
             自分で楽しむには  おとな〜

 テーブルに向かい合って、2匹(人)のお洒落な犬がディナーを食べています。見たところ夫婦(あるいは恋人)のようです。
 ディナーを食べながら、女性の犬が男性の犬に質問をします。
 ねぇ、もしも明日の朝 おきたらわたしが、まっ黒なクマになっていたら あなた、どうする?
 次々とされる途方のない質問、そしてそれに対する大人のお洒落でちょっとウィットに富んだ回答。構成としては絵本の古典である『ぼくにげちゃうよ』(12)に似ていますが、この絵本は(特に恋愛中の)方にお薦めしたい大人の絵本です。

あたしもびょうきになりたいな!
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  6・7才〜

 弟のエドガーが風邪をひきました。エドガーにはみんながやさしくしてくれるし、ベッドでご飯を食べたりしています。それにひきかえ、あたしは一人で洋服を着てご飯も自分で食べに行き、カメの餌だってあげなければいけません。
 「あたしもびょうきになりたいな」と思っていると・・・・。
 子どもらしい素直な嫉妬の感情と、状況に応じた感情の変化が独特の絵柄でストレートに描かれている絵本です。

くれよんのくろくん
             読み聞かせるなら  3・4才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜

 『そらまめくん』シリーズ(『そらまめくんのベッド』【10】)で一躍有名な絵本作家になられたなかやみわさんの絵本。
 新品のクレヨンがありました。退屈でいやになった黄色のクレヨンが、箱の中を飛び出てみたところ、真っ白な画用紙を見つけます。そこで仲間たちを呼んできて、みんなで思い思いの絵を描いていきますが、黒のクレヨンくんは呼ばれません。そうしているうちに絵はぐちゃぐちゃになってきました。そこにシャープペンシルくんがやってきて・・・。
 なかやみわさんの暖かみのある絵と、スクラッチの技法を生かしたラストには驚かされます。

わたしのおとうと、へん・・・かなあ
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  7・8才〜

 『わすれられないおくりもの』(12)などの作品で有名なスーザン,バーレイさんが絵を描かれた絵本。
 うさぎのリリはおとうとのド−ドができて大喜びです。だけど、リリは時々心配になります。だってドードはちっとも大きくならないし、いつまでたっても赤ん坊みたいだからです。そのせいかドードはリリの友達からからかわれもしますが、ドードはいつも笑ったままです。
 「先天的染色体異常」という非常に難しいテーマを持った絵本ではありますが、(他の「障害」をテーマにした絵本・作品と比較して)それほど啓蒙的で(「押しつけがましくて難しく」)なく、「障害」のある子どもの姉の「わたしのおとうと、へん・・・かなあ」という子どもらしい感情と視線から描かれていることが新鮮な絵本です。

こいぬのうんち
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  6・7才〜

 トリの家のしろがうんちをしました。しろはこいねだからこいぬのうんちです。
 こいぬのうんちは、すずめに、畑の土に、にわとりたちに「きったねぇ!」、「いぬぐそ」、「なにかのかすのようだ」と言われ、悲しくて悲しくてその都度涙を流します。
 こいぬのうんちが「ぼくはちっぽけで、きたなくて、何の役にも立たないんだ・・・。ぼくはこれからどうすればいいんだろう・・・。」と考えていたとき、こいぬのうんちの前にタンポポの緑の芽が顔を出します。
 そのタンポポがこいぬのうんちに言います。
 「私がきれいな花を咲かせるためには、空から降ってくる雨と、暖かい陽の光、それともう一つ、絶対必要なものがあるの」

 韓国のベストセラー絵本ということもあり、切なくて心温まる内容はもちろん、隣の国ながらアジアの匂いを感じさせる絵もすてきな絵本です。


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