いい絵本み〜つけた!!

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 ここでは、みなさま及び管理者により絵本を簡単に、少しずつ紹介させていただきます。尚、年齢の表示はあくまで目安です。

ぞうのエルマー
            読み聞かせるなら  5・6才〜
            自分で楽しむなら   6・7才〜

 ジャングルが揺れるほどの大きな笑い声が絶えない象の群の中にエルマーはいました。
 エルマーは象でしたが、「象色」の象ではありません。黄色、オレンジ色、赤色、ピンクなど、いろんな色があるつぎはぎのまだらの象なのです。
 エルマーは仲間の象たちに受け入れられ、人気者でさえありましたが、エルマー自身は「象色」ではない、つぎはぎの色の自分が嫌になり、ある日の朝こっそり群を抜け出します。
 そして、「象色」の象に変身しますが・・・・。
 「象色」の象ではないエルマーがそのままの姿で他者から認められ、そしてその姿のままを自らも肯定していく、そのすばらしさを教えてくれるカラフルな色使いも魅力的な一冊です。

とりかえっこ
             読み聞かせるなら  2・3才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜

 「ぴよぴよ」とひよこが、家を出て歩いているとねずみさんに会います。ひよこはねずみさんと鳴き声を「とりかえっこ」します。「ぴよぴよ」と鳴くようになったねずみさんと別れて、「ちゅうちゅう」とひよこが歩いていると、今度はぶたさんに会います。
 次々といろんな鳴き声を「とりかえっこ」するおもしろさにとどまらず、本来は弱いはずのひよこが猫を退散させるという通常の立場の「とりかえっこ」、本来はひよこのことを分かっているお母さんも首を傾げてしまうという意識の「とりかえっこ」など、いろいろな「とりかえっこ」のおかしさ、おもしろさの魅力が詰まった絵本です。

くいしんぼうのはなこさん
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  7・8才〜

 あるお百姓さんの家に子牛が生まれました。
 「はなこ」と名付けられたこの牛はとてもわがままです。冬の間、家の人たちははなこの食べ物を集めるのに大変苦労しましたが、そのためごちそうばかり食べたはなこは、むくむくと大きくなっていきました。
 春がきて山の牧場に放されたはなこは、その牧場の女王を決める戦いで優勝します。(これだけごちそうばかり食べて大きくなっているのですから当たり前です。)
 そして、ますますわがままになっていくはなこですが、ある日一人のお百姓さんが持ってきてくれたおいもとかぼちゃを食べ過ぎてしまって・・・・。
 児童文学の有名な訳者でもある石井桃子さん(文)と、『かばくん』で有名な中谷千代子さん(絵)という不思議な組み合わせも少し気になる良い絵本です。

フレデリック
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  6・7才〜

 『スイミー』(3で紹介)のレオ=レオニさんの作品。
 石垣の近くに5匹ののねずみが住んでいました。これからくる厳しい冬に向けて、トウモロコシや木の実や小麦など、夜も昼も働いて備蓄しています。だけどフレデリックだけは別。4匹が一生懸命食べ物を集めているのをよそ目に、「お日様の日」を集めたり、「色」を集めたり、「言葉」を集めたりしています。
 やがて冬がきて、寒さも深まり、備蓄していた食糧もほとんどなくなりました。飢えと寒さに凍える中、4匹は秋にしていたフレデリックの奇妙な行動を思い出します。
 『スイミー』同様、絵本作家とは「優れた絵描き」であると同時に、「優れた詩人(またはストーリーテラー)であることを実感させてくれる絵本です。

わにさんどきっ はいしゃさんどきっ
             読み聞かせるなら  3・4才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜

 わにさんはゆっくり遊んでいたいのに、(痛い歯を押さえて)嫌々ながら(歯医者さんに)やってきました。
 歯医者さんはゆっくり遊んでいたいのに、嫌々ながら(仕事場の診察室に)やってきました。
 そこで出会って「どきっ!」とするわにと歯医者さん。
 同じ場面で、同じ言葉が、わにと歯医者さん両方の口をついてでますが、その背景にある思いはもちろん違います。「同じ言葉と違う思い」、このおかしさを絵で語っている愉快で楽しい絵本です。

ぼくを探しに
             読み聞かせるなら  8・9才〜
             自分で楽しむには  9・10才〜大人まで

 4.5才児が書いたようなパックマン(ナムコ初期のアーケードゲームの主人公)に似た物体が、足りないかけら(口の部分)を求めて旅をする物語です。
 野を越え海を越え、時に歌いながら、時に周りのものとふれあいながら、自分に足りないかけら missing piece(原題)を探します。小さすぎたり、大きすぎたり、とがりすぎてたり、離してしまったり、壊してしまったり、かけら自身に断られたりなどと、いろいろな困難を越えて、ついに自分にぴったりのかけらを見つけます。だけど・・・。
 黒のサインペン一本で書かれたようなシンプルな絵、そして100ページ近いボリュームながら、パックマン(仮称)がとても生き生きと描かれていて、そのボリュームを全く感じさせません。
 大人はその旅に様々な示唆・比喩を感じ、子どもはその旅をそのままの「自分探しの旅」と感じさせてくれる「シンプルでありながらシンプルでない」そんな不思議な魅力を持った絵本です。 

ながいおひげのえんちょうせんせい
             読み聞かせるなら  3・4才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜

 にっこり幼稚園の園長先生は、子どもたちに大人気です。だって長いもじゃもじゃの髭があるからです。
 この髭は、風が吹いた時は口の中に入って喋りにくかったり、走るときは踏んで転んでしまったりもするけれど、バイオリンになったり、マフラーになったり、かくれんぼの時の隠れ場所になったりと、とっても不思議で便利なお髭です。
 ある日、園長先生と子どもたちでピクニックに出かけた時・・・・。
 ほのぼのとした内容と、かわいい絵(「ピーマンマン」の中村景児さんの絵です)が魅力的です。

だるまちゃんとてんぐちゃん
             読み聞かせるなら  3・4才〜
             自分で楽しむには  6・7才〜

 小さいだるまちゃんと小さいてんぐちゃんが遊んでいました。
 だるまちゃんはてんぐちゃんが持っているうちわと同じうちわが欲しくなります。そこで家に帰って探してもらいますが、だるまちゃんが思うようなうちわはありません。そこでヤツデの葉っぱをうちわにしただるまちゃん、今度はてんぐちゃんがかぶっている帽子と同じ帽子が欲しくなります。そこで家に帰って探してもらいますが、だるまちゃんが思っているような帽子はありません。
 創意工夫でてんぐちゃんの格好を真似ていくことのおもしろさと、「似ているけどちょっと違う」「元々は全く違うものだけど結構似ている」というおかしさにあふれた絵本です。


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