いい絵本み〜つけた!!
7
ここでは、みなさま及び管理者により絵本を簡単に、少しずつ紹介させていただきます。尚、年齢の表示はあくまで目安です。
前回は、特別編として「大人のための絵本」を特集しましたが、今回は今まで通りです。(ただし、「大人にこそお薦め絵本」には、対象年齢に「おとな」の文字を入れることにします。)
せんたくかあちゃん
読み聞かせるなら 3・4才〜
自分で楽しむなら
5・6才〜
「今日もいい天気だねぇ」と、洗濯が大好きなかあちゃんは、家中のものを洗濯します。洗濯するものを探しに行った子どもも、洗濯されまいと逃げていた猫も、犬も、犬が食べていたソーセージも、下駄箱の中の靴も、「とまれ!」の一声で捕まえて、次から次へとみ〜んな洗濯して、干してしまいました。
それを空から見ていた、かみなりさま。干されている子どもや猫や犬たちのおへそをとりに、雷とともに落ちてきました。
ところが、かあちゃんは驚くどころか・・・・・・。
何事にもデンと構えて全く動じないパワフルなかあちゃんが魅力的な一冊です。
おちゃのじかんにきたとら
読み聞かせるなら 4・5才〜
自分で楽しむには 6・7才〜
ソフィーとお母さんが台所でお茶の時間にしようと思っていたら、突然玄関のベルが鳴りました。
「誰かしら?」と思ってドアを開けてみると、そこには大きくて毛むくじゃらのしま模様のとらがいました。
とらは「おなかがすいているんで、お茶の時間にご一緒させていただきませんか?」とお願いします。これを快く引き受けたお母さんは、2人と1匹でいっしょにお茶にすることにしました。
ところがそのとらは食べる食べる。あらゆるものを食べ尽くし、飲み尽くします。
「お茶の時間にとらが来る」というありえないことを当たり前のように描き、またそれをソフィーとお母さんが当たり前のように受け入れることに、奇妙なおかしさがあり、そのため客観的には非常に傍若無人(でありながらどこか紳士的)なとらも、愛嬌があるように感じてしまい、素直に笑ってしまいます。
ずーっと
ずっとだいすきだよ
読み聞かせるなら 6・7才〜
自分で楽しむには 7・8才〜おとなまで
犬のエルフィーと「ぼく」はいっしょに大きくなりました。エルフィーの方がずっと早く大きくなり、小さなぼくはエルフィーのおなかを枕にしたり、外でいっしょに遊んだりしました。
でも、ぼくの背がぐんぐん伸びる頃になると、エルフィーはどんどん太って動きも鈍くなってきました。獣医さんもどうすることもできません。
そしてある日の朝、エルフィーは死んでいました。
家族みんなが深い悲しみに沈む中、「ぼく」には一つだけ救いがありました。
それは・・・・・・。
(人や動物に関係なく)愛するものに、「ずーっと、ずっと、だいすきだよ。」と(思っているだけではなく)照れずに言える大切さとすばらしさを描いた絵本です。
こぐまちゃんシリーズ
読み聞かせるなら 1・2才〜
自分で楽しむには 3・4才〜
『しろくまちゃんのほっとけーき』でも有名な若山憲さんの大人気シリーズ。
一枚一枚が独立した作品(イラスト)のようにかわいらしく、また独特な絵で、こぐまちゃんが経験する様々なことを、シンプルに、しかし愉快に描いています。
一見、こぐまちゃんには表情が乏しく、文にも躍動感が乏しいように感じられますが、子どもの想像力、そして読み方によって、表情があまりない(と感じていた)こぐまちゃんが逆に表情豊かに見えてくるから不思議です。
ぶたのたね
読み聞かせるなら 3・4才〜
自分で楽しむには 5・6才〜
走るのがとっても遅いオオカミがいました。ぶたよりも走るのが遅いので、捕まえたこともありませんし、もちろん食べたこともありません。
「一度でいいから、おなかいっぱいぶたを食べてみたい」と思ったオオカミくんは、きつねはかせに「足の速くなる薬」を作ってくれるよう相談します。
きつねはかせは、「それ(足の速くなる薬)は作れない。そのかわりもっといい物をやろう。」と、オオカミくんに、ある物をくれました。
果たしてオオカミくんは、ぶたをたべることができるでしょうか?
奇想天外な展開が魅力的な絵本です。
いたずらきかんしゃちゅうちゅう
読み聞かせるなら 4・5才〜
自分で楽しむには 6・7才〜
あるところに、小さな蒸気機関車ちゅうちゅうがいました。
ちゅうちゅうは、人をたくさん乗せた客車、手紙や荷物をいっぱい積んだ貨車を引っ張って、毎日畑を超え、国道を横切り、丘を超え、丘を下り、トンネルをくぐり、跳ね橋を渡って、駅から駅へと走っていました。
ある日、ちゅうちゅうは考えました。「あんな重い客車や貨車を引っ張るのはもうごめんだ。ぼく一人ならもっと早く走れるのに…。」そして、誰も周りにいない時を見計らって、一人で走り出したから、さぁ大変!行く先々で騒動を巻き起こします。
黒一色の生き生きと躍動感あふれる絵で描かれていて、ハラハラとする内容はもちろん、蒸気機関車に対する想像力も駆り立てられます。
ねずみくんのチョッキ
読み聞かせるなら 3・4才〜
自分で楽しむには 4・5才〜
本来は『りんごがたべたいねずみくん』と同じ作者であるため、「ねずみくんシリーズ」ととらえることもできますが、別に紹介します。
ねずみくんはお母さんにかわいい赤いチョッキを作ってもらいました。それを着ていると、がちょうくんが「いいチョッキだなぁ、ぼくに貸してよ」と言います。がちょうくんがちょっときついチョッキを着ていると、さるくんが「いいチョッキだなぁ、ぼくに貸してよ」と言います。
ねずみくんの赤いチョッキが、モノクロの絵の中でとても映えていて、どんどん伸びていくチョッキのおかしさを引き立ててくれます。
またお母さんが作ってくれたチョッキが異様に伸びてしまい、涙ぐむねずみくんとある動物が、「伸びてしまったチョッキ」を使って遊んでいる最後のページは心を和ませてくれます。
月うさぎ
読み聞かせるなら 5・6才〜
自分で楽しむには 6・7才〜
ある日、いつものようにももちゃんが窓を開けて、レモン色のお月様の中にいるうさぎを見ようと思うと、「あれ!?」うさぎさんがいません。
「おかしいな?どこいっちゃったんだろう?」と思っていると、ヒュー、ドターン!!、大きな音とともに窓から何かが飛び込んできました。
それは、雲を食べ過ぎて雲から落ちてしまった食いしん坊のとっても太った月うさぎでした。ももちゃんは月うさぎといろんなお話をして仲良くなります。ですが月うさぎは空に帰らなくてはなりません。悲しがるももちゃんに、月うさぎはある物をくれます。
ほのぼのとして、想像がふくらむ内容、温かい絵が魅力的な一冊です。
人気俳優奥田瑛二さん(絵)と、妻安藤和津さん(文)の作品です。