いい絵本み〜つけた!!

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 ここでは、みなさま及び管理者により絵本を簡単に、少しずつ紹介させていただきます。尚、年齢の表示はあくまで目安です。

あかちゃんのあそびえほんシリーズ
            読み聞かせるなら  0・1才〜
            自分で楽しむなら   3・4才〜

 あかちゃんの生活に密着したいないいないばぁ、あいさつ、へんじ、いただきます、ねんね、うんこ、シャンプーなど、しかけ絵本のシリーズ。
 シリーズすべて、かわいらしい絵で、簡単なしかけを用い、開いた絵本をいっぱいに使って単純な物語を描いているためか、ちいさな子どももじっとして聞いてくれます。
 『ノンタン』(2)はまだちょっと難しいかな・・・・という子どもからお薦めです。

トビウオのぼうやはびょうきです
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  7・8才〜

 青い青い南の海、静かな珊瑚礁のそばで、トビウオの親子が仲良く住んでいました。
 そんな日、突然太陽が二つ出来たかというようにあたりは明るくなり、続いて、海が揺れました。
 びっくりした親子でしたが、それきり光も消え、揺れていた海も静かになったため、海の上に出てみることにしました。
 そこには冬でもないのに、白い雪のようなものがふっていました。トビウオのぼうやは嬉しくなってその白い雪のようなものがふる中をとんで遊びました。
 ところが数日たったあと・・・・。
 「多くのいのちを一瞬にして奪い、その後も長い間苦しめるおそろしい兵器である「核兵器」を地球からなくそう」という気持ちで描かれた絵本です。

どうぞのいす
             読み聞かせるなら  4・5才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜

 同じ作者、絵で描かれた『ごろりんごろんごろろろろ』(10)と同じく、柔らかなタッチとほのぼのとする内容が印象的な絵本。
 うさぎさんがちいさないすを作りました。みんなに座ってもらおうと思い、「どうぞのいす」という看板も作り、いっしょに野原におきました。そこへやってきたのはドングリをいっぱいひろって疲れたろばさん。ろばさんは座るかわりにひろったドングリを「どうぞのいす」に置き、うたた寝を始めました。
 それからやってくる様々な動物たち、
  「ごちそうさま。どうぞならば えんりょなく いただきましょう。」
  「でも からっぽに してしまっては あとのひとに おきのどく。」

と、「どうぞのいす」の上の食べ物は次々にすがたを変えていきます。
 そして、やっとろばさんが目を覚ますと・・・・。
 繰り返される言葉とは逆に、次々にすがたを変える「どうぞのいす」の上の食べ物、そしてやっと目を覚ましたろばさんの言葉には思わず笑ってしまいます。


地方の言葉で書かれた絵本

 絵本は全て標準語で書かれているわけではありません。『ひさの星』(10)のように、地方の言葉で書かれている絵本も数多くあります。
 それらの絵本は、民話であれば語り部から直接聞いているような気分にさせられ、創作絵本であれば、作者の伝えたいことが(時には痛いほど)伝わってくる気がします。
 これから、そんな気になる「方言絵本」を4冊紹介します。

じごくのそうべえ(シリーズ)
             読み聞かせるなら  6・7才〜
             自分で楽しむには  8・9才〜

 上方落語の「地獄八景亡者(の)戯(れ)」をもとにした絵本。
 「とざい とうざい・・・」と綱渡りをしていた軽業師(かるわざし)のそうべえですが、ふと足を滑らせて落ちてしまい、死んでしまいます。
 「三途の川」への道すがら、歯抜きしのしかい、医者のちくあん、山伏のふっかいと出会います。
 みんなそろって地獄に落とされてしまいますが、それぞれの分野で地獄の責め苦を次々と痛快に乗り越えていきます。
 田島征彦さんの恐ろしくもありながらどこかユーモラスな絵、そして(上方落語が原作とあって)関西弁での軽妙な語り口が見事に融合した素晴らしい絵本です。
 続編に『そうべえ ごくらくへゆく』、『そうべえ まっくろけのけ』があります。

島ひきおに
             読み聞かせるなら  6・7才〜
             自分で楽しむには  8・9才〜おとなまで

 瀬戸内海に伝わる言い伝えをもとにしてつくられた絵本。(そのため、語り口も岡山、広島方面の言葉になっています。)
 姿形は恐ろしいですが、友だちが欲しくてたまらない鬼がちいさな島に住んでいました。
 しかし、、鬼が住んでいる島には誰も寄りつきません。寂しくてたまりませんでしたが、ある海が荒れた日、ぎらぎらと光る鬼の目を町の明かりと間違えた船が鬼の島にやってきます。
 びっくりしたのは漁師たちです。
 「(鬼と一緒に暮らすなんてまっぴらだ。どうせ出来ないと思い)私の住んでいる島は小さくて、あなたが住める場所はありません。もしどうしてもというのだったら、あなたが住んでいる島を引っ張ってきてください。」と言います。
 それを信じた鬼は「えんやこら えんやこら」と島を引っ張ります。
 ところが・・・・。
 もの悲しくも心に残る内容と豪快な絵が印象的な絵本です。

わたしいややねん
             読み聞かせるなら  9・10才〜
             自分で楽しむには  9・10才〜おとなまで

 脳性マヒのために手足などに障害を持ち、外出するときは車いすを使う作者と、その車いすを押す友だちが絵を描いた絵本。
 車いすを使っているため、奇異な目で見られることへの反発・あるいは率直な疑問の心情が赤裸々に書かれた文と、その心情を様々な角度から見た車いすだけで描いている絵が、車いすを使う人を「ジロジロと同情の眼差しで見てしまう」私たちの心にずしりと響きます。
 文も平易で比較的読みやすいのですが、(私個人の意見としては)この絵本にこめられた心の叫びがある程度分かるぐらいの年齢になってからお薦めしたい絵本です。

ぼちぼちいこか
             読み聞かせるなら  3・4才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜

 この絵本も表題から分かるとおり、関西の言葉で書かれた絵本です。
 ただし、この絵本は「翻訳」なのです。私たちは一般的には、海外の絵本を見るときには翻訳に頼らなくてはなりません。石井桃子さん、佐野洋子さんなど、すぐれた絵本翻訳者はたくさんおられますが、この絵本の翻訳者である今江祥智さん(他の翻訳には『すてきな3人組』【5】などがあります。)は(良い意味で)一風変わっています。
 いろいろな職業に挑戦するかばくんですが、重い体重がたたり、どれも失敗してしまいます。そこで気負わず、あせらず「ぼちぼちいこか」と開き直る過程は、(個人的な思いですが)やっぱり関西弁でこそ生きてくるように思われます。
 絵本の内容はもちろん、翻訳のダイナミズムを感じさせてくれる絵本です。


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