いい絵本み〜つけた!!
                     年齢表示はあくまで目安です

100万回いきたねこ
            読み聞かせるなら  4・5才〜
            自分で楽しむなら   5・6才〜おとな

 これまで、100万回も生まれ変わり死に変わりしていたねこがいました。100万人の飼い主にかわいがられ、死んだときには100万人の飼い主が泣きました。
 ですが、何度生きても、何度死んでも、ねこの心はどこか空虚でした。
 あるとき、このねこははじめて誰のものでもないノラねこになり、ある一匹の美しい白ねこを見かけます。これまで100万回も生きてきたねこですが、まだ一回も生き終わらないこの美しい白ねこに興味を持ちます。やがてかわいいこねこたちが生まれ、ねこはノラねこになってはじめて持った「自分が一番好き」という気持ちと同じくらい、白ねことかわいいこねこたちが好きになります
 独特な絵も印象的な心にしみる一冊です。

おばけのてんぷら
             読み聞かせるなら  3・4才〜
             自分で楽しむには  4・5才〜

 せなけいこさんの代表作の一つ。
 うさちゃんは、町で野菜を買ってきて天ぷらを作ろうと考えました。うさちゃんが天ぷらを揚げていると、次々と揚がる天ぷらのいい匂いにつられておばけがやってきました。
 盗み食いをしようと思ったおばけですが、「大変!」、つるりとすべって小麦粉の中に落ちてしまいます。そうとは知らないうさちゃん、おばけもいっしょに揚げてしまいそうになります。
 どきどきする展開とほのぼのとしたラストが印象的です。

しろいうさぎとくろいうさぎ
             読み聞かせるなら  4・5才〜
             自分で楽しむには  5・6才〜おとなまで

 ある野原に白いウサギと黒いウサギがいました。二匹はとてもなかよしで、毎日いろんことをして遊んでいます。
 ところがある日、黒いウサギが寂しそうにしています。白いウサギは心配になって理由を聞きます。「どうして寂しそうにしてるの?」「え〜っと・・・、えっとね、・・・・・・・」。
 ウサギの柔らかい手触りまで伝わってきそうな繊細なタッチ、かわいらしい目の表情、そして心温まる内容は大人も心うたれます。

はらぺこあおむし
             読み聞かせるなら  2・3才〜
             自分で楽しむには  4・5才〜

 世界的な絵本画家、エリック・カールさんの代表作。
 おひさまがのぼった日曜日の朝、ちっぽけで腹ぺこのあおむしが生まれました。そのあおむしが月曜日から土曜日までの間、いろんなものを食べながら大きくなり、蝶になるさまが、原色中心の見る者を惹きつける絵で描かれています。
 途中で切ったページや穴のあいた絵など、シンプルながら考え抜かれた構成も魅力的で、あおむしといっしょに、果物やアイスクリームを食べたくなります。
 広げた本全体を使って描かれた最後のページには圧倒されます。

おおきなかぶ
             読み聞かせるなら  2・3才〜
             自分で楽しむには  4・5才〜

 おじいさんが植えたかぶが、とってもとっても大きくなりました。
 おじいさん一人では抜くことが出来ず、おばあさんを呼んできますが、二人でも抜けません。そこで、孫を呼んできますが、3人でも抜くことが出来ません。
 「おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがかぶを引っ張って、うんとこしょ、どっこいしょ、まだまだかぶは抜けません。」という、少しずつ引っ張る人(動物)が増えながらも、何度も何度も繰り返されるこのフレーズは、おそらくどこかで聴いたことがあると思います。
 画面からはみ出ているかぶが、このかぶの大きさを想像させ、また抜けたかぶもその想像を裏切らない大きさです。(表表紙からもはみ出して、裏表紙に続いています)

14ひきのねずみシリーズ
             読み聞かせるなら  2・3才〜
             自分で楽しむには  4・5才〜

 おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、それに10匹の子どもたち、あわせて14匹のネズミの家族が活躍するシリーズ。しかし、「活躍」といってもいわゆる冒険活劇ではなく、このネズミの家族の日常を描いたものです。
 優しいタッチと色使いで細かい部分まで描き込まれた絵、ネズミたちの豊かな表情、簡潔で語りかけてくる文、などなど、眺めているだけでも楽しく、また、読むほどに新しい発見がある絵本です。

スイミー
             読み聞かせるなら  5・6才〜
             自分で楽しむには  7・8才〜

 広い海の中のどこか、小さな赤い魚の群の中に、真っ黒いが泳ぐのは誰よりも速い魚がいました。名前はスイミー。
 ある日、スイミーの仲間たちは大きなマグロにいっぺんに食べられてしまいます。そこでスイミーは暗い海の底を、新しい仲間を探して旅に出ました。
 そして、いろいろな生き物と出会いながら、やっと以前の仲間と同じ小さな赤い魚の群と出会います。ですが、新しい仲間も、自分たちを食べる大きな魚におびえています。スイミーはたくさんたくさん考えて、ある方法を考えつきます。
 詩的な文と独特のタッチの絵が、海の中に対する想像力をかき立ててくれ、同時に仲間作りの大切さを教えてくれます。


読書の秋です!
                              保護者の本に対する姿勢が、子どもの本に対する親しみを育みます
    おとなも本を読みましょう
                  尚、「難しい度」は管理者の主観です(5点満点)

恢復する家族
             難しい度  ☆☆☆

 日本で2人目のノーベル賞作家、大江健三郎さんと、妻大江さんゆかりさんの作品。
 大江さん夫妻、義母、そして3人の子どもたちの日常が書かれていますが、その中でもとりわけ「障害」をもった光さんと音楽との関わりを中心に考察されたエッセイです。
 文体も大江さんの他の著作のように難解ではなく、また時折挿入されるゆかりさんの趣味である柔らかく心和ませるタッチの水彩画も清涼剤のようです。
 あまり身構えず、ゆっくりと読んでいただきたい一冊です。


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